「探求と成長の旅:職安体験の奮闘記」

年齢が53歳という私にとって、未経験の職場を見つけて採用されることは可能なのか、まずそのことを考えました。約25年前に一度だけハローワークに通った経験がありますが、当時はインターネットの普及度もまだまだ低く、自分のパソコンでネット上の1つのページを開くのにも20分ほどかかった記憶があります。パソコン関連やネットのホームページ、ソフト関連の情報を調べるためには、本を買って学習するという方法を取っていました。今思えば、パソコンが手元にあるにも関わらず、本に頼っていた自分の姿には笑ってしまいます。

 

しかし、現代では状況は大きく変わっています。インターネットの普及により、ハローワークもオンライン上で検索や事前登録ができることを知りました。さらに驚いたことに、近所に出先機関があることもわかりました。これによって、隣の市まで足を運ばなくても済むようになり、本当に助かりました。

 

ネットで登録を済ませた後、早速ハローワークに足を運びました。緊張しながらドアを開けると、中は思っていたよりも広くありませんでした。銀行や病院などで見かける待ち番号を取って座るスペースがあり、すぐに番号が呼ばれて担当者の元へ案内されました。目の前の担当者は私よりも年配の男性でしたが、とても親身になって話を聞いてくれました。彼の対応には感動し、この場所で働きたいと思ってしまうほどでした。

 

私の前職は工事関係でしたが、今回はそれ以外の分野で興味のあるパソコンやデザインについて話を進めていきました。その結果、3社ほどの候補が絞られました。自宅に戻り、それぞれの会社を調べて自分で連絡する予定でしたが、担当者が驚くべき行動に出ました。「え!?」と驚きながら、彼が私のために3つの会社に連絡を取り始めました。その瞬間、緊張が走りました。年齢や未経験のこと、そして私の興味や空き状況などを電話で確認している様子に、心臓がドキドキと高鳴りました。

 

そして驚くべきことに、結果的に3つの会社全てに履歴書を送ることになったのです。この時期の就職難やコロナの影響を考えると、自分が履歴書を送ることができるなんて思ってもみませんでした。

 

帰宅後、履歴書の書き方に取り掛かりましたが、今はExcelを使って入力し、簡単に印刷できるので、かなり楽でした。かつては手書きで何度も書き直す必要があり、ボールペンでの記憶があります。裏技として、間違った字をカッターで削ることもありました。その思い出がよみがえり、微笑みが浮かびました。

 

次は証明写真を撮ることにしました。髭を生やしていたので、綺麗に剃ってから、妻と一緒に買い物がてらに証明写真を撮ることにしました。写真を見ると、想像以上に皺があり老けた顔にため息が出ました。20代の頃、レンタルCDの店長の経験があり、アルバイトの履歴書を見ていたことを思い出しました。正直に言いますと、この履歴書とおじさんの写真を見ただけで、不採用だろうと感じました。

 

履歴書を送ってから2~3週間後、結果の封筒が届きました。残念ながら、3社全てから不採用の通知がありました。一方で、少し安心した気持ちとともに、落ち込んだ気持ちが同時に心の中に存在しました。

 

私には3人の子供がいます。長女は家を出て、職場の同僚の彼氏と同棲しています。長男はITの会社で働いており、一人暮らしをしています。次男はYouTuberとして活動しながらアルバイトをしています。家には妻と次男の3人で暮らしています。長男は時々夜ご飯を食べに家に帰ってきますが、彼が言いました。「父ちゃんは自分で仕事をする方が向いているよ。それに髭を生やした方がいいよ」と妻も同じ意見でした。その言葉に感謝と嬉しさで心がいっぱいになり、新たな挑戦を決意しました。

 

次回は「新たなクリエイティブの世界へ!ラインスタンプ制作に挑戦」について書きたいと思います。